ところが戦後、韓国から「日鮮同祖論」が浮上してきた。その内容は、戦前の「日鮮同祖論」を韓国優位に焼き直したものであり、「日本人は、韓民族により支配され、韓民族が大和政権をつくった」とするもので、「奈良時代の日本人口の96%が渡来人」「日本人は韓半島での戦乱で敗走した民族であり、劣等民族である」とするものである。金達寿氏は「「大和朝廷のあった飛鳥の地には、所謂帰化人以外には誰もいなかった」「「帰化人」なるものが渡来するまでは「大和朝廷」というのは文盲であっただけではない。…人間としての生活をしていなかった集団」としている。この「韓国版日鮮同祖論」が韓国の中に蔓延しつつある。
1999年、韓国にある加耶大学校に「高天原故地」なる碑が建立され、筑波大学名誉教授の馬渕和夫氏を始め、多くの日本人がこれを祝している。今年、現地を訪れ、この「高天原故地」を見たのであるが、先の「高天原由緒所定地」を彷佛とさせるものがあった。「歴史は繰り返す」というが、「高天原故地」を歓迎する日本人は、嘗て「日鮮同祖論」を歓迎した韓民族のリーダーの様に見えなくもない。しかし「日鮮同祖論」は、学問ではなく、「政治的モチーフ」としてのみ、成立し得るものである。戦後50年を経た今、我々は「日鮮同祖論」の呪縛から放たれなくてはならない。
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