「世界の疾病予防と未来」

    基 調 講 演 要旨

                       廣瀬輝夫氏

世界人口63億の中、約半数、特に幼少者は近代医療のワクチン、
抗生物質による感染症の予防や治療が受けられず、三大伝染病の結核、
マラリア、HIV感染の死病率が高く、その対策が必要である。又、生活
週間病である肥満症、糖尿病、高血圧の頻度も最近10年間に新興国、
更に発展途上国でさえ急増し、全世界の人口の4分の一は羅患している。
先進国による飲料水、安全食及びワクチン、抗生物資のほか近代医療の
補給は急務である。

廣瀬輝夫氏・プロフィール

日本医療経営学会理事長
元ニューヨーク医科大学教授
秀明大学名誉教授

  



「新健診へのトランスフォーム!
       そのときあなたは何をする?」


講師:浜口 伝博 氏
    潟梶[ジャー医療情報室・産業医

医療制度改革にともない、本年4月、メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群)に焦点をあてた特定健診や保健指導が健康保険
組合等の医療保険者に対して義務化されました。今回、特定健診・
特定保健指導の「導入の背景と狙い」について学習するとともに、
「医療専門職として本制度にどのように関わっていくべきか?」、

また「プロフェッショナルであるために今後必要なスキルとは?」
本年度から始まる本制度について、立ち上げメンバーであった浜口
先生より、ご講演をいただきます。




浜口伝博 氏 ・プロフィール


産業医科大学医学部卒業後、鞄月ナ産業医、
日本IBM鞄搖 産業医、同社産業保健部長。
日本産業衛生学会理事,日本産業精神保健学会理事、
東京都 医師会産業保健委員会委員としても活躍。
2005 年8月厚生労働省健康局「生活習慣病健診・
保健指導の 在り方に関する検討会」委員

  *当日の講演はこれに近いものです。事務局側で過去の
   ご講演を参考に資料として作成したものです。   

ハマーコンサルティング代表 浜口伝博先生が語る 生活習慣病講座 Vol.3「過ぎたるは及ばざるが如し」
メタボリックシンドロームは日本語で言うと「内臓脂肪症候群」ということになります。つまり内臓に脂肪が貯まった状態という意味なのですが、何ともかわいげのない命名です(笑)。内臓に脂肪がたまるとはどういう状態かといいますと、お腹の内臓(胃とか、肝臓とか、小腸とか)のすき間を埋めるように入り込んでクッション役割をしている大網(たいもう)というまさにネットみたいなものがあるのですが、それに必要以上の脂肪がついてしまっている状態をいいます。
過ぎたるは及ばざるが如し イラスト この必要以上の脂肪から動脈硬化を引き起こす化学物質が“必要以上に”プチプチ分泌されていることがこの病態の基本メカニズムなのです。ですのでお腹の脂肪を減らしましょう、とふたこと目には言われるわけです。さてこのメタボリックシンドロームの方々をよく観察すると、意外と「うつ病」等のメンタル疾患の多いことが一部の論文で発表されています。確かに、不安、抑うつ,不眠、イライラなどがあると,食生活もみだれてメタボリックシンドロームを発症させたり増悪させたりするだろうことは感覚的には理解できます。
以前より、メンタル疾患では糖尿病の発症頻度が高い傾向にあるとか、心血管系疾患による死亡率も一般人口より高いことは指摘されているのですが、はてさて、どうもこの両者の関係が気になるところです。いったい、メンタル疾患そのものがメタボリックシンドロームの発症に影響を与えていると考えるべきなのか、それともメタボリックシンドロームを背景にしてメンタル疾患が発生してしまうものなのか、がよくわかりません。またことを複雑にするのは、メンタル患者さんの服用する薬の副作用としての肥満傾向の場合があることや、更年期(男性も女性も)となる中高年は、そもそも気分がブルーになりがちであることも重なります。そして中高年は誰でもそれなりのストレスをかかえていますので、ストレスがかかれば当然メンタル(気分の落ち込み)にも影響しますし、日常生活においてタバコが増えたり、飲み過ぎ食べ過ぎ、運動も減って生活不規則、不眠状態にもなります。つまり中高年は体質的にもストレス的にも、メンタルにもメタボにも、両方さらされているわけです。メタボリックが先か、メンタルが先か、もうわからなくなってきてしまいますね。
          株式会社 サンプリ
浜口伝博先生
浜口伝博(はまぐちつたひろ)
厚生労働省健康情報 これからの健康
BACK NUMBER
Vol.1「肥満」
Vol.2「粋な宣言!」
Vol.3「過ぎたるは
 及ばざるが如し」
Vol.4「心とからだとメタボ〜リック」


















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       パネル・ディスカッション     
      「四つの要素から見た新たな疾病予防」
            

 

 

  

 1)廣瀬 輝夫 氏(基調講演1、パネラー)

  心臓外科医として近代医療の頂点を極めるだけではなく、アフリカ、南米、アジア等、
  世界を現地調査をしながら統合医療の道を開拓されている先生です。この視点から、
  幅広く疾病とはそもそも何なのか、予防とは何をなすべきかを語 っていただきます。

 2)岡本 茂雄 氏(基調講演2、ファシリテイター)

  米国の医療保険会社との事業開発を皮切りに、疾病予防に関する数々の開発を手がける。
  著書にも日経新聞より「生活習慣病予防のための疾病予防支援サービス」、今回は廣瀬氏、
  米澤氏、宮崎氏などを執筆者とした「わかる!できる!特定保健指導」の編集・執筆。


3)浜口 伝博 氏(講演、パネラー)

  日本における疾病予防や健康管理の最前線である産業衛生分野において、東芝や
 IBMなどで長く産業医として活躍されてきた。現在は、その経験と在宅での血液検査
 を簡便に可能とした健診機材により、新たな疾病予防ビジネスを開拓されている。

   4)米澤 麻子 氏(講演、パネラー)

  NTTデータ経営研究所にて、わが国の最先端技術を持ったグループのシンク
  タンクの研究員として,疾病予防分野のビジネスモデル開発や分析に優れる。
  前職では保険会社において財源の仕組みも含めた疾病予防ビジネスを手がける。

   5)宮崎 京 氏(講演、パネラー)

  BSフジにおいて「ウォーキング・プラス」と言う、歩くこと、ウォーキング
  することを日常化し、さらに散歩ではなく「ウォーキング」を楽しみとして
  行うことを実践し紹介している女優。この11月にも主演するが舞台ばかりで
  なく、さらに「わかる!できる!特定保健指導」でも執筆されており、生活者と
  しての分析的視点を持った今後が期待される女優。