第69回未来構想フォーラム・創立7周年記念
平成20年(2008年) 1月23日 生涯学習センター (新橋)
当日のメモと写真をフォーラム終了後アップいたします。
荒川章子さん(東大、仏文卒作家メモ)これは1次報告に溝垣善二郎さん
(早大教育数学科卒NHK勤務メモ)に加筆した2次報告です。 (文責:事務局 ’08、12.5記)
3 次報告は堀貴美さん(文教大学国際国際学部)が準備しています。
また、記念講演全文は、小冊子「日本講演」よりで出版されました。
未来構想の映像、最近のもの数回をアップしました。
第1部 講演の部
開会の辞 「未来構想が目指すもの」
大脇準一郎 (NPO法人 未来構想戦略フォーラム 共同代表)
@ 世界の中における日本;国家の指導者に世界観に欠けている。
A 日本のミッション(使命);政府・官僚は国際社会における役割を十分に果たしていない。
B 政府頼みではなく、政府と共に、私は何が出来るのかを問うことが大切。
C目指すは 世界に雄飛する青年の育成。国際的リーダーの大学創設。
記念講演
「世界へ開かれた日本、我々は何を為し得るか?」
波多野 敬雄 氏
日本がいかに開かれていないか。いかに鎖国した国であるか。アジアは日本を除いた
アジアと書かれている。グローバルゼーション、世界一体化に乗ろうとしない国となり、
取り残されている。世界は動いている。
5年前、世界経済フォーラムが、世界各国に依頼した意識調査。グローバルゼーション
によってプラスの影響を受けていると思うか。マイナスの影響を受けていると思うか。
オランダ87%、アメリカ、ドイツインド70%、フランス60%代、日本34%がプラスの
影響を受けているという。日本は異常な数字である。アメリカのホーリン・ポリシー誌で、
「世界の有識者が先進国21ヵ国がいかに国際貢献しているか。」日本は毎年、
最下位。その基準は6つ
@ 貿易(どりだけ自由か) A 援助(どれだけ援助しているか)
B 投資(どれだけ投資しているか) C 環境問題
D 移民(どれだけ受け入れているか) E 国際維持(どれだけ国際維持しているか)
国際平和維持に関してはやむを得ない。しかし、移民受け入れに関して改革されれば
良いイメージが得られる。
1、 貿易
日本は、国際的に評価高いが、10品目に関してめちゃくちゃ高い。その品目は絶対に
輸入しないという体制がついている。ウルグアイランドを担当していたが、米の問題が最後
まで残った。世界が納得しない。10%程度は入れているが、外国からは30%増やしてくれ
という。関税が780%、1万円のものを7万8000円で払えという。コンニャクは1700%。
1万円が17万円。コンニャクは福田総理の地元選挙区商品。インドネシア、タイは、どうせ
コンニャクを自由化しても、500万ドルしか輸入しない。そんなことまでしてケンカするのは
得策ではない。バター、480%。外国では1万円は1万円の関税は常識。ジュネーブで主婦
連の代表、お米は輸入使用とはしないでくれという。事務局長は通訳が間違っているといわ
れた。福田総理は、消費省をつくるというが。お米は高くなくてはいけないと日本の世論は
なっている。安い米を買いたがらない日本。ニューヨークではアメリカ米が誰もまずいとは
言わない。新潟米と同じである。農水省は大規模農家を育成しているが、日本に戻って
きた人が、農地を買い取ろうとしたら、参議院で民主党が零細農家を守らなくてはいけない、
ということで所得保障をしなくてはいけないと言っている。
2.投資
日本は、対外投資は評価されている。対内投資きわめて否定的である。GNP国民総生産は
イギリス30%、アメリカ12%、EU10%。外国が日本に投資することは否定的であり、守って
しまう。対物投資会議が組織されて、にほんは2%を5%に増やそうとするが、経団連はきわめて
否定的である。外資を容認する制度改革をしないように、日本の企業買収に結びつける。
敵対買収で負けたことではない。
世界では、自分の国に投資してくれと、アメリカに工場をつくることを知事が日本に来てお願い
をする。ヨーロッパでもつくってくれとウェールかスコットランドか引っ張り合う。外国では、企業
誘致しているのになぜ日本はこちらからお願いするのか。
エコノミストのイギリス新聞では、世界のビジネスのしやすさのランキングでは、1位デンマーク、
フィンランド、カナダ。イギリスは8位、アメリカ7位、最近為替不安のため。しかし、日本は、28番目。
先進国は20余りあるが、この順位は、後進国に抜かれている。投資についても、評価良くない。
2、援助
従来は、これでカバーしていた。湾岸戦争では、兵を送らない。日本に恨みがある。日本は
援助の多さが唯一の売りであった。1.7兆円。国連に行っていた時は、世界一であった。世界は
だんだん援助を増やしている。アメリカにおいては、2番目、ドイツ、フランスとほぼ同額。OECD経済、
2010年で5番目になる。為替レートで左右される。10年間で援助減っている国はない。他国は
若干増えている。例えば、ドイツ、イギリス、OECDE一応了承されている。GNP一人当たりの収入の
7%を援助にまわす。北欧、スウェーデン、イギリス0.8%、0.9%。ドイツ0.5%.しかし、日本は0.2%,
アメリカは0.1%で援助はあいまいである。0.7%をいつまでに達成するか。イギリスは2010年まで
にしますと言っている。日本は援助するつもりはさらさらない。日本は思ったほど高くはない。
この点、世界から点数を減らされているのが現状。
2、 環境問題
日本の得意とする分野。京都議定書は日本主導で作成した。1990年に2008〜2012年の間に
6%減らす。しかし、7.8%増えている。13.8%を2012年までに減らさなくてはならない。二酸化炭素を
減らしているか。インドネシア、バリ島、気候変更、枠組み。日本は、数値目標で2012年以降どう
するか。非建設的の国は日本である。NGOがバリ島で参加していた。スウェーデン、ドイツが良い。
中国は45番目から40番目にランクが上がった。日本、26番目から40番目に落とされている。
中国以下である。中央審議会は、一番の効果は環境税。ヨーロッパはほとんど環境税を導入し
ている。アメリカがやっていないので反対。環境庁、メディアの人、有識者、経済界の人、3名が
絶対反対。20名の内その3名が反対したら動かない。民主党の福島みずほはガソリン税を減らして、
環境税を導入しろと言う。共産党以外言っている。洞爺サミットでは新しい数値目標を示すというが
経団連は絶対反対。ランキングは45番目である。地方環境の問題は、いろいろある。ゴミをどうするか。
二酸化酸素をどうするのか。産業界関心がない。CO2排出する権利を買う。今の状況は、10%以下の
ものを買う。
4.平和維持
どれほどしているか。危ないことをしない国。バングラデシュのゲリラ解放するため、三菱重工を
爆破して、赤軍犯を釈放してバングラデシュに連れて来いと言う要求があった。判決を受けたものを
解放することは、法律を破ることになります。と、質問をすると人命は地球よりも重いと言う。記者は
本国に打った。電話がくる。特派員が電報打ち間違いではないか。地球は人命より重いということだ
ろうと。2年前、読売新聞で、他国に侵略されたら逃げる、降参するは43%武器以外では、43%、
武器を持って戦うは、16%。外国人は驚いている。降参は43%。日本はそういう国である。
5、移民問題
きわめて消極的、きわめて強い制限がある。スイスのコラムでは、年間60万人入れないともたない
と云う。毎年、外国人労働者10位。3000万入れる必要がある。EU委員会、日本は2050年、2000万人
入れざるを得ないだろうと云う。日本は外国人を80万人使っている。70万人は、専門職、ブラジル。
必要とするだろう。数字の10分の一。経団連は、早く労働を入れよ。と熱心に動いている。トヨタ、
日本では、自動車は売れない。外国へ輸出する以外ない。それより労働力が足りない。愛知、求人
広告、労働者を求む。法務省が入れないと頑張っている。経済的にもたない。世界が認めない。
グローバルゼーションに反した国。外国人に夢と希望を与えるべき。ジュネーブで緒方貞子氏。
難民受け入れている。ヨーロッパ、2000名、3000名。アメリカ1万人。日本1名と書いている。1名も
入れない。日本の世論、メディア、議員がどれほど否定的か。日本、去年40名。16名入った。
非常識な数字。30年前、ベトナムのボートピューピルいかだで、ボートで逃げ出して来た。
インドネシア、タイ、シンガポールは追い返す。日本はアジアの大国、負い帰す訳には行かない。
1万人受け入れる。事務局を置いた。食べるもの、住む所、おこづかいあげたが、若い人は、
どんどんベトナムに出て行った。日本の社会が受け入れてくれない。隣のアパートの人友人に
出来ない。自分たちには、夢がないといって。カナダのケベック(仏領)では、黒人がタクシー
運転手。ハイチの難民職業を準備した。ニューヨーク、マンハッタンは、花屋、八百屋半分以上
は韓国系の人。ベトナムで負傷者を出したということで。日本は商売をさせない。
以上。 溝垣善二郎 記
ダボス会議で「グローバライゼーションは利益だと思うか」という調査をしたら、5
0パーセント以上が「イエス」の国が多いのに、日本は30パーセントが「イエス」
で、他の国より格段に少ない。ジュネーブの国際貢献度の順位は、日本はいつも
最下位だ。
国連や海外援助に金は出しているが、難民受け入れが極端に少ないこと(07
年は40数名)と、食料自給にこだわり、農産物10品目に高い関税をかけて、実質
的に貿易自由化を阻止していることが主な理由だ。日本の消費者は、安い海外産の農
産物を買いたいという文句を言わない。
今、日本人口の2パーセントが永住外国人だが、法務省は、治安が悪化する等の
理由で、移民を受け入れないとがんばっている。
しかし、移民受け入れはプラスの影響があるのではないだろうか。労働力として移民
が必要だ。産業界が今、移民受け入れを働きかけている。
又、GNPの2パーセントが外国資本だが、日本人は外国資本を増やすと「侵略され
る」ように思うらしい。外国では「自分の所に工場を作ってほしい」とひっぱりだこ
なのに。世界の国のビジネスのしやすさランキングがあり、日本は28位だ。先進国
は20数カ国なので、何カ国かの発展途上国にさえ抜かれている。
日本の海外援助は1、7兆円で世界2位だ。日本は、出来ることと出来ないことが
はっきりしている国で、お金を出すのは日本が「出来ること」だ。私は海外援助を
もっと増やしたら良いと思う。国連にもアメリカと同じ分担金を出して、それを宣伝
したらいいのではないか。
外国では、自分の国の税金から出た援助金がどう使われたかに国民の関心が高いが、
日本は国民もメディアも関心が薄い。相手にあげたら、使うのは相手の勝手だと思う
のだろうか。
「日本がもし他国に侵略されたらあなたはどうしますか?」というアンケート調査が
あり、17パーセントが「武力を使っても抵抗する」と答え、40パーセントが「逃げ出すか
降伏する」と答えた。自国が侵略されて、たった17パーセントしか抗戦しないというのは、
何という国だろう。
BBCの世界の文化ランキングで1位は日本だが、内容を見ると、日本食、ファッション、
漫画、アニメなどであった。 (荒木章子・記 以下略)
第2部 “2008年、私の未来構想”
7周年記念の第69回講演会に参加して、「よくも69回もこのような第一級の人々を講師に
続けてこられたなあ!」と驚きました。
聞けば、会の運営に定収入は無く、奇跡的な資金の援助が各方面からあった7年間だった
そうで、正に神様が願っているお仕事をしていらっしゃるのだなあ、と感慨を深くしました。
大脇さんは12月のリーダーシップセミナーで「スタッフがいないので困る。」とおっしゃって
いましたが、佐桑さんという若いパワフルな事務局長が出来、これから神様の願いを大きく
果たせる未来構想戦略フォーラムになると感じました。二次会にも参加しましたが、運勢を
感じ、偉い先生方がとても気さくに質問に答えて下さるので、すごく楽しくて良かったです。
又参加したいです。 荒川章子(東大、仏文卒、作家)
未来構想フォーラムに初めて参加して。
今まで、メールでの案内やパンフレットとして、時々、目にした程度でした。
どんなものか一度は行ってみようと思い参加しました横断幕は82歳の書道の大家の
揮毫したすばらしいものでした。
講演はほんとうに質の高い、内容の濃い講演でした。国連大使時代、食料輸入、防衛問
題で外国の事務局長が、通訳を聞いて、「お前の通訳は間違っている。消費者の代表が
そんなことを言うはずがない」など、外国人には到底考えられないことが日本では時々
起こるという。世界の人が日本をどう思っているのか、マスコミや本では語られない裏話や
本音の話を肌で感じることができました。
第2部は、「2008年、私の未来構想」ということで3分間スピーチ。東大の教授や国際報道
の記者、NGO関係の人などが自分の未来構想を熱心に語っていました。
あるNGOの方は団塊の世代の海外シルバー協力隊を編成し、日本に帰って里親と
なって交流をしたらよいとか。韓国からカンボジアNGO活動をやって
いる方が来て、日韓関係のこと、カンボジアは、95%ベトナム人が嫌いだけ
れども、現地でボランティアを通してその情が解けてくる。そして「Thank
you Japan!」と言われたこと。
千葉で若者のボランティアを立ち上げ、日曜日に3人で清掃活動をして93回目で
評価され、新聞に取り上げられた話。元国連大学事務局長をしていた伊勢先生は
「何10年ぶりに日本に帰ってきたらとんでもない国になっていた。これではいけない
から日本を勉強して変えたい」と熱く語っていました。
大学の総長、教授、社長、NGO代表。一般の人、学生、青年、壮年、老年それぞれの
世代が入り混じった会場でとても家族的な雰囲気でした。それぞれが、それぞれの思い
を持ち、志をもち、夢を抱き、何かをしたいというそんな雰囲気が静かな中にも感じられました。
未来構想フォーラムの主旨が、「自由自在な話し合いの場プラットホームを設定し、共に
学び合い、日本の未来構想を大胆に描く、壮大な夢に挑戦しています。」とあるように、
具体的なイメージを描くことができる場でもありました。意識啓蒙としても良
い時間を持てました。これからも毎月、1回開催されるということですので、
継続していきたい気持ちになりました。2月は、本を出版した元山勝寛さんの
講演ということで、70回を迎えます。未来構想戦略フォーラム側も、今まで
の講演内容を本や、DVD化することも進行しており、それを道具として、新た
な社会活動に取り組んでいこうと思いました。以上
M. Z(早大・教育学部、51年卒)
「夢をください」
もし、だれかがわたしに
「あなたの欲しいものを一つ何でもあげる」といったら、
わたしは、すぐに言うだろう。
「わたしに夢をください」と。
わたしは今、疲れているのです。
友だちとのつきあいに、テスト、テストの学校に。
お願い、
だれか わたしに、夢をください。
胸いっぱいに息をすいこんで「よしっ、やるぞ」と
体の奥から叫べるような
夢をください。
一つだけの、 一つだけの
夢をください。
―――― 東京大田区の中学二年の女子生徒の詩