8.6 第64回未来構想フォーラムのご案内
「宗教と平和」
開催趣旨
拝啓 日増しに日射が強まり、猛暑へ向かうこの頃ですが、お変わり
ありませんでしょうか?
去る7月12日のフォーラムでは、「日本が対米追従だけではなく、欧州の意見を
もよく吟味し、日本独自の世界平和への普遍的理念を探るべきである」、「メディ
アの責任と宗教界の役割が重要である」、「日本は東アジア共同体の構築に真剣
に取り組むべきである」等の意見が提起されました。そこで、今回は、宗教を入
り口に、文化と平和、核と平和を参加者全員、討論に加わるフォーラム形式で論
じたいと存じます。
米国での9.11を始め、中東でイスラム急進派の過激な行動が目立っています。彼
らの主張は何か、和平の道はあるのか? ユダヤ教、キリスト教との対立、キリ
スト教内部での熾烈な宗教戦争、一見、歴史は宗教が戦争の主原因であるかの様
相を呈していますが、宗教とは何か?ここでは、A.トインビーが見るように、宗
教を広義の意味で捉えてみます。 彼によれば、「高等宗教が形骸化すれば、低
俗宗教じが蔓延する。現代における低俗宗教とは、英雄崇拝(復古主義)、科学
信仰(現実逃避)、共産主義(未来逃避)であって、現代文明の挑戦を超克は、
第4の変貌型(自己変革・昇華)である。」
平和には消極的平和、奴隷の平和もある。数々の「平和の神話」を解剖し、平和
の中身を創造して行くことが肝要であろう。文明は生活様式、技術、制度であり、
文化は生活の中身、エートス、観念、価値体系、平易に言えば、楽しみである。
科学革命により生活環境の驚異的変化を経験している現代人は、人間の内面性の
開拓、文化の振興に力を注ぐべき時であろう。
8月6日;人類史上、始めて、戦争の武器として核が用いられた日である。戦前、
軍事史の研究から「世界最終戦争論」を書いた石原莞爾の予言のごとく、最終兵
器としての核の出現は、人類の頭上に何十万本もの“デモクリトスの剣”として
釣り下がっている。 2度使われた核であるが、3度目は絶対避けるべきある。核
の脅威に怯え、世界の国々は核を保有することによって睨み合っている。核大国
が恐れるのは、狂信的な殉教精神溢れるセクト集団が自爆テロに核を用いること
である。六カ国協議の中心問題は、核拡散の抑止問題である。 そこで2度の被爆
を体験した日本こそ、核兵器廃絶、平和の手段として武器を用いる前になすべき
ソフトを提供し、世界平和実現のイニシアティブをとるべきではなかろうか?
今回、日頃、上記のような主張を披瀝されている3人の方にご発題頂き、ともに
学びあい、ともに英知を結集して共存、共栄、共義の平和な未来を構築してゆき
たいと存じます。
万障お繰り合わせの上、ご参加賜りますよう、伏してお願い申し上げます。
敬具
平成19年7月吉日
NPO法人 未来構想戦略フォーラム企画委員会
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記
日 時:平成19年8月6日(月)午後6時〜9時
場 所:吉祥寺南町コミュニティーセンター ホール 定員100名
Tel:0422-43-6372
武蔵野市吉祥寺南町3-13-1,吉祥寺駅から井の頭通り杉並方向へ
徒歩8分、右側、前進座,隣,
会費:一般、2千円(会員、無料)学生;1千円
テーマ:「 宗 教 と 平 和 」
発題1「イスラム急進派の文明的挑戦」
H.A. ムガール 氏 (イスラム評論家. ジャーナリスト)
1961年生.1984年パキスタン、イスラマバード大学日本語専攻。パキスタン日本
大使館、外務省通訳。1985年日本国際交流基金の日本語選抜試験トップで招待来
日。九州大学(心理学)、早稲田大学(国際部)で学ぶ。1987年よりペルシャン
・ウェーブ通商(有)ペルシャじゅうたん屋経営)。 英語.ウルドウ語、パンジャ
ビ語の国際会議、法廷通訳としても、幅広く活躍中。 スパイス&ハーブ料理愛
好家テレビ料理番組出演。イスラム文化研究会;異文化交流会日パ;.New Hope
Fukuoka 21;.Fukuoka English Speaking Society.;主宰として講演活動。パキ
スタンの民間外交官、ムガール帝国末裔。テレビ出演:テレビ朝日(朝までテレ
ビ「新たな戦争と日本」) 他、KBC九州朝日放送、毎日RKB放送、福岡FBS放送、
福岡NHK放送、東京フジテレビ-トクダネ!西日本新聞社モニター。この8月上旬
もパキスタンへ帰国、本会に間に合うよう帰国予定。
著書:イスラムは日本を変えるか?(文芸社,2001年4月)
http://mughal.net/japanbook/iwata.html
Let Me come to Pakistan (For Trouble Shooting)[P F House Publisher]
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発題2「文化と平和」 一色 宏 氏 (ロゴ・デザイナー,芸術家)
愛媛県松山市出身 洋画・日本画を学び、デザインの世界に入る。芸術は、人間
が積極的に関与する文化現象であり、デザインは、生活文化や企業文化の創造に
重要であるとの認識に立って、美と哲学を根本に生命的価値・人類的価値・社会
的価値を重視した独自なデザイン美学を展開している。
現在:理事;NPOキーパーソン21・,NPO・YDMアソシェーション・,NPO・
グリーンライフ推進機構・ローマニアン・ネットワークセンター・副会長,
制作経歴:昭和39年、日本の建築意匠の粋をつくした皇居新宮殿造営に参画。
和風の現代 建築プロジェクトで、一般参賀に国民が集まる東庭の意匠デザイ
ンを担当。 昭和42年より、第三次〜第四次防衛計画BADGE SYSTEMグラフィック
システムデザイン制作。 その他、多数の企業団体のシンボルマーク、 異色のCI
デザインで話題を呼ぶ。
主な作品:シンボルマーク、芸能山城組:イタリアントマト:PIZZA WORLD(英国):
東京ドーム・ビッグエッグHUMPT'S:ハクビ京都きもの学院:環太平洋文化研究
センター(USA):広島市政100周年記念・平和サミット:AMERICA'S駅伝:
ITOCHU RINKS :EARTHER GROUP :JR九州 JOYER HOUSE:(財)日本チャリティ
協会:EYE LOVE EYE視覚障害者支援のための認定マーク:山田養蜂場 :阪神・
淡路大震災復興支援チェロコンサート。現在、シンボルマークは世界180ヶ国
に広がっている。
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発題3「核と平和」 中澤 英雄 氏 (東京大学 教養学部教授)
専門分野:異文化コミュニケーション論。カフカ、ブロート、ブーバー、ショーレム、
ザッハー=マゾッホなどをドイツ・ユダヤ精神史の研究。
著書 :『カフカとキルケゴール』(オンブック、2005)
論文: 「カフカにおける『ユダヤ人』問題」(『へるめす』25、1990)
「カフカの『万里の長城』における民族、国家、宗教」(『思想』796、1990)
「ユダヤの非合理的な伝承」(『思想』816、1992)
「多民族の共存から世界平和へ――ザッハー=マゾッホの多文化的世界」
(『間文化の言語態』東大出版会、2002)
翻訳: ボリス・グロイス「ユダヤの逆説、ヨーロッパの逆説――
テーオドール・レッシングの『ユダヤ人の自己憎悪』によせて―」(『思想』806、1991)
フランツィスカ・マルティーンセン=ローマン『歌唱芸術のすべて』
(荘智世恵氏と共訳、音楽の友社、1994)
レオポルト・ザッハー=マゾッホ『ユダヤ人の生活』(柏書房、1994)
ルイーゼ・リンザー『ダライ・ラマ 平和を語る』(人文書院、2000)
コメンテーター:伊勢桃代氏(国連大学初代事務局長)(予定)